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文字どおり、日々様々な喧騒やトラブルや猫たちに振り回されてます。
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皆様こんにちは。
日に日に傷の経過はよくなってはいるようですが、相変わらず右腕肘下から指先にかけてが四六時中鈍痛いのにウンザリしている忽蘭です。
痛いという感覚から思考が離れて欲しい…。
イラつくんだもん。・゚・(つД`)・゚・

といいつつ、昨日はその痛みも一瞬忘れるような出来事がありました。
朝八時半ごろ、中学の時の悪友(文芸部の部活友)から久々に電話があったんですわ。

彼女は中学入学と同時に同じ文芸部(あたしは三年間のうちにハンドボール部や演劇部もかけもちしてたが、あくまでメインは文芸部)に所属し、やたら気があって部活以外にも公私にわたって親しくしていた幼馴染み。
黙っていれば頭もよく、芸術的な感性にも優れたまぎれもない才媛だった彼女ですが(事実万葉集にはまって国文系の有名な大学院を二つも卒業した才女。しかも全て奨学金)いかんせんそこはほら、アタシと気が合うくらいだから普通の人とは一味違うというか、変わってるというかどっかネジが抜けてるというか…ゴニョゴニョ。

まぁ天然と呼ぶにふさわしいドジ娘で、日常茶飯事的によく転び(しかもなにもないところで。自分の結婚式のときも、旧友の期待を裏切らずに雛壇ですっ転ぶという荒業をやってのけた)、生傷と絆創膏が絶えないようなお嬢さんだったわけですよ。
そのくせ誰もが認める野生児でサバイバル環境ドンと来いなアタクシと同じコトを平然とやろうとするもんだから、見てるこっちのほうがハラハラすることもしばしばで。(苦笑)
そりゃもう素で笑わせていただくような逸話と伝説を数々持つ、一風変わった愛すべきキャラクターの持ち主であります。
まぁあれですね。天才とナントカは紙一重ってやつ?(ぁ

社会人になってからはお互い仕事や学業(彼女は大学院生だった)に忙しいのもあって遊ぶことも減り、連絡も自然途絶えがちになってはいたんですが、それでも二年に一度ぐらいは「元気~?」と電話がかかってきたりしてたんですね。

まぁ今回もそんな近況報告かな?と思いつつ「おぉー、久しぶり~!」と電話に出たんですが、「うん、ひさしぶり~。元気?」と返してくる声がなんとなくいつもと違う。
かけてきた時間もこんな早いし、こりゃなにかあったんだなとピンときたんですわ。

「ん~元気とはいいがたいかなぁ。実は右腕の骨折っちゃって、ついこのあいだ入院手術受けてきたばっかなのよ。それよりどしたん?なんかあったの?」
と畳み掛けるように聞いたんですね。
そしたら彼女、一瞬驚いたようにアタシを心配しながらも、抑え切れなかったように半泣き声になりながらこういったんです。

「○○○~(アタシの中学時代のあだ名)、あたし乳癌になっちゃった・゚・(つД`)・゚・ 」



文字通り、Σ(・ω・ノ)ノでした。
……いや、あたしの周りってやたら癌患者多すぎだろ。
社会人になってからの悪友も乳癌になってるし、某サークルで知り合った友人も既に一人肺癌で亡くしている。
ネットで知り合ったMMO仲間も胃癌で苦しんでたし、なによりアタシ自身が子宮体癌経験者なわけで。(汗)

もうね、数多くそういう人たちを見てきて、なおかつ自分が経験してるだけに何といっていいかわからないわけですよ。
「……あちゃあ……あんたもなっちゃったか……」
としか言葉が出ませんでした。

病状と進行状態を聞いてみれば、まだ細胞診の結果ははっきりとはでてないんだけどかなりやばそうな感じらしく、すぐ入院で右乳房全摘は決定とのこと。
…そりゃあショックだわな。曲がりなりにも女性だし。
しかも癌だから、己の死の予感もはっきりと目の前にぶら下げられたわけで。

しかも彼女の末の子供はまだ四歳。手間もかかるし可愛い盛り。
いろんなことがグルグルグルグル頭を巡って、破裂しそうな不安と絶望とショックを抱えてアタシのところに電話してきたんだということは、何も聞かずとも察することができる。

……でもねぇ、経験者だからこそわかるんですよ。こんなときに頑張れとか大丈夫!とか無責任に言われても、心の表面を上滑りするだけだってコトが。



「…どうしよう? あたしもう長生きできないかもしれないね…」



泣きながら鼻声でそういう彼女に向かい、あたしが言えたのは、
「馬鹿もん、治療はじめる前から弱気になってどうするよ?まだ結果は何も出てないでしょうが。いい?アタシも経験者だから言わせてもらうが今は乳癌も子宮癌も珍しい病気ではないし、酷に聞こえるかもしれないけど、例え検査結果が出て手術受けてさえ運悪く五年後生存率が60%切ったとしても、癌じゃなくたって人間誰しも明日の生存確率は50%じゃんか。こないだのアタシみたいにいつ事故って死ぬかもわかんないんだからさ。それより今あんたがやらなきゃならないことは、もっと現実的なことを考えたこれからの闘病準備だよ。右胸全摘ってコトは多分リンパも削られるだろうし、当分右腕が不自由になるんだからね?入院したら間違いなく一ヶ月は動けないんだし、抗癌剤治療が始まったら具合悪くて家事なんか手につかなくなるよ?その間のおちびちゃんたちの世話なんぞ、働いてる旦那一人で間に合うわけないんだから、今のうちに近くに住んでる友達でも身内にでも協力してもらう体制つくっておくことと、体力温存と抵抗力保持のために無理をしないこと、よく寝ること、よく食べることだからね?今はショックで何も考えられないかもしれないけれど、あんたはお母さんでもあるわけだからしっかりしなきゃ。不安や恐怖に押しつぶされそうになったときは一人で泣いてないでいつでも電話してきな。今は遠いから話を聞いてあげるしかできないけれど、大丈夫、これでも経験者のアタシが全部受け止めてやるよ」
…という現実的なアドバイスだけでした。_/ ̄|○

実際ね、今アタシは現実問題として右腕が使えない不自由さを痛感しているわけだし、過去の自分の癌手術の経験から言っても、術後どのぐらい身体がままならないか、抵抗力が落ちてしんどい思いするかを身をもって知っているので、情緒に欠けるかもしれないけど真っ先にそれを心配したわけですよ。

癌とか病気は、発病してしまったものは仕方ない。
嘆きたくなる気持ちもわかる。厭世的になるのもわかる。
でも、それが現実なら受け止めるしかないわけで。
受け止めたら前を向いて戦っていくしかないわけで。
その為には目の前にある問題を一つ一つ片付け、できるだけ万全の体制を整えて治療に挑むのみ。

ただ嘆くだけなら誰でもできるんです。
でも現実は容赦なく襲ってきます。
お金の問題、家族の問題、仕事の問題。

手術費ってバカになりません。アタシが癌の手術を受けたときも、他より安いといわれている病院でさえ手術費だけで30万近かった。
今回の骨接ぎの手術は24万。その他に麻酔代や部屋代や薬代…その他もろもろ入れて、今回の入院費だけで41万ぶっ飛びました。
公営の市民病院でですよ?

癌治療だとこのほかにバカ高いホルモン剤や抗癌剤などの薬代もプラスされます。

自分が動けなくなる前に、民間保険会社の保険に入っていれば連絡して手続きの準備を進めてもらうとか、国民健康保険組合の高額医療費補助なんかのことも調べて準備しなけりゃ、とてもじゃないけどお金がかかりすぎて間に合いません。

お金はかかるのに、当然仕事はできません。
症状が重ければ重いほど、闘病生活は長くなる。
病状以外でも、体力低下や薬の副作用があって身体はしんどい。
女性であれば、癌の進行を止めるためにホルモン剤で強制的に生理を止めることになるので、擬似的更年期障害も襲ってくる。
免疫も低下するので風邪はすぐ悪化するわ、傷口は膿むわ、油断大敵です。
動きたくたって動けない状態のイライラったらそりゃもう情けないやら悔しいやらで、鬱りそうになります。

普通に考えて、病気以外のストレスだって激増するんですよ。

だから、すこしでもそれを軽減するためにも前準備って大事なんですわ。

幸い彼女は素直なうえに聡い人なので、アタシの言わんとすることをすぐに理解したようで、
「うん、そうだよね。ほんとに癌なんかじゃなくたって明日死んじゃうかもしれないんだし、右腕もしばらく使えなくなるんだってこと忘れてた。マジで泣いてる暇があったらしなきゃならないこと沢山あるんだよね。入院のこと以外にも、高額医療費補助のことや保険のこともアタシ詳しくないから、どうすればいいのかいろいろ教えて?」
と泣き笑いの声で頷いてくれ、いろいろ話して電話を切りました。


……でもね。
やっぱりこれでよかったのかなぁと、電話を切ったあと考え込んじゃいましたよ。(´・ω・`)
ほんとは彼女、もっと優しく慰めてほしかったのかなぁと。

癌のとき入院した病院の婦長さんや先生が、「貴女はホントに強いのねぇ。こんなに意思や気持ちのしっかりした患者さんも珍しいわよ」と苦笑混じりにおっしゃるほど、他のか弱い女性に比べるとアタシの神経は鋼並みに強靭らしいので、他人の心の痛みを本当にわかってあげれてないのかもしれないと。

図太く鈍い自分が難なく乗り越えられた精神的なハードルも、普通の人にとってはエベレスト並みに高いのかもしれない。
アタシが笑い飛ばすことのできるようなことも、他人様にとっては深刻なことかもしれなくて。

そういう面で、アタシってがさつで無神経なのかなぁとも思うわけですよ。

まあ考えても図太い神経が細くなるわけでもなし、アタシはアタシで変わりようがないので、仕方ないんですがね。

今心から願うのは、彼女の乳癌がそれほど深刻なものではなくて、無事に手術を終えて早く元気な声を聞かせてくれることのみ…かな。



……嗚呼、人並みに繊細な神経が欲しい。(ぇ








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無題
ばかもの。
繊細な神経(あえてそう表現するが)の姐なんて、姐じゃないやい。
慰めるのは誰でも、いつでも出来る。今やらなきゃいけないことを示唆できるのは経験者ならではで、彼女があなたに求めているのは同情と慰めじゃなく、生きる意欲を活性化させてくれることだってば。
あなたの友人なんだから、それがあなたの優しさだということも解ってるはず。なによりも、あなたの存在自体が多少なりともちゃんと安心感につながると思うよ。
たしかにハードルの高さは個人差があって、他人にはうかがい知れないし、発覚直後はかなり動揺していて冷静に対処することは難しいだろうから、できるかぎりケアしたほうがいいだろうけど。

あんまり悩まないようにね。出来ることは限られてるんだし、それをしっかりしてあげればよろし。
九条 2007/10/03(Wed)  21:54 編集
ありまとー
いや、あんまり悩んでるわけじゃないんだけどさ。(苦笑)
人を励ましたり慰めたりするのって難しいなぁと思ったわけで。

つーか、人って難しいなあといったほうがいいかもなぁ。

ホラ、アタシは何度も事故や病気に対面して、その度「死」を薄皮一枚の差で実感できた経験を持っててもさ、「死」自体を逃げも隠れもできぬ生物全て平等にある現実としてしか認識してなくて、恐怖とか未練とかを感じることってほぼなかったからさ。
恐れを知らない人間が、恐れ足掻く人間の気持ちを真に理解できてるのかといえば、それは否に近いんだろうなと思ったわけさ。
察することはできても、な。

文字書きとしても、人並みの繊細さに(神経の細さ)もっと目を向けるべきなのかねぇ…という意味合いもあったりする。(苦笑)
忽蘭@管理人 2007/10/04(Thu)  14:52 編集
無題
物書きとしては必要かも(苦笑)。いつもいつもバケモノばかりの話を書くわけにもいかんしw
とはいえ、私もソレをリアルに書けているかというと疑問なんだが(爆)。
しょせん人の気持ちなんて理解できるもんでなし、かといって己の経験をフィルターかけずにさらけだすこともできないですわ(´・ω・`)
九条 2007/10/04(Thu)  16:47 編集
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